リスクと問題

ギャンブル依存症は誰でもなりうる病気です。たとえ「ギャンブルには興味がない」という方でも、心理的状況や環境によってはギャンブル依存症になる可能性があります。

ではギャンブル依存症になる可能性があるのは、どのような人なのでしょうか。今回はギャンブル依存症になるリスクと、依存症となった場合に起こりうる問題について説明します。

損失よりも利益を重視するとギャンブル依存症のリスクが高まる?

日常生活において、誰もが何かしらのリスクを取って選択しています。

たとえばコンビニであらたに発売されたお弁当は美味しいのかどうか、バスに乗るのと歩くのとではどちらが早く駅に着くのか、など。試してみなければわからないことは多くあります。もちろん、仕事においてもそうでしょう。

たいていの人は利益と損失の両方の可能性がある場合、損失を回避する判断をする傾向にあることが知られています。お金を得るより失うことを避けたい、だからギャンブルはしないという人が多いのはそのためです。

しかし場合によっては誰もが、高い確率で損失となることがわかっていながらも、低い確率の利益を得ようとする行動を選択しています。宝くじを購入するのもそのひとつですし、ソーシャルゲームのガチャにはまるなどもその典型でしょう。

仕事においても同様です。リスクを取らなければ成功は手に入らない、という考え方は広く浸透しています。これはもちろん間違いではありません。

失敗するリスクをとって小さな損失を繰り返しながらも、大きな満足感を伴う成功体験を得ることがあります。そして損失を繰り返しながらもその満足感をふたたび得たいと思う場合、ギャンブル依存症になるリスクを抱える可能性が高いと言えます。

ギャンブル依存症になるリスクが高い要素

誰もがギャンブル依存症になるリスクが高まる要素として、次のような項目があります。自分は当てはまるものがないかどうかを確認してみてください。

  • 失業や退職など心理的に大きな変化があった
  • 退屈や孤独を感じることがある
  • 経済的な問題がある
  • 簡単にギャンブルできる環境にある
  • ギャンブルを始めてすぐに大きな勝ちを経験する

これらが関連することでギャンブル依存症になるリスクにつながります。

たとえば、「経済的な問題がある」ことと「ギャンブルで大きな勝ちを経験する」ことのふたつの要素が組み合わさることで、「ギャンブルに勝てば経済的な問題を解決できる」という思考が生まれやすくなります。

あるいは「退屈や孤独を感じる」ことと「簡単にギャンブルできる環境にある」ことで、ギャンブルに足を踏み入れるきっかけが生まれます。

つまり、心理的にギャンブルに興味を持ちやすい状況にあること、ギャンブルができる環境が身近にあること、そしてたまたまギャンブルをしたところ勝つという経験をすることで、ギャンブル依存症への道を突き進む可能性があるということです。

ギャンブル依存症になることで生じる問題

次にギャンブル依存症になると、どのような問題が生じるのかを説明します。

借金をするようになる

ギャンブル依存症になると、お金が湯水のように消えていきます。ギャンブルは胴元の取り分(ハウスエッジと呼ばれるもの)があるので、長く続けると利益よりも損失のほうが多くなるからです。

そこでギャンブルに給料をつぎ込み、預貯金までをつぎ込んでも負けが続くと、やがて借金をするようになります。

借金をしても、勝てば返済できると考えるのがギャンブル依存症の思考です。賭け金を増やせば勝った時の利益も増えるので、しだいに賭け金も大きくなっていきます。すると借金の額も途方もなく増えていきます。

家族に負担をかける

ギャンブル依存症となった者がいると、当然ですが家族はやめさせようとするでしょう。しかし本人は借金を抱えており、それをギャンブルで取り返そうとしているのでやめさせることができません。

そこで家族の者は、とにかく借金を返済すればギャンブルをやめるのではないかと考え、その返済を肩代わりします。

しかしギャンブル依存症は、かつて味わった勝利という興奮をまた味わいたいという衝動を抑えることができません。そこで家族にはギャンブルをやめたと嘘をつき、ふたたび借金をするようになります。

つまり借金を家族が返済しても、根本的には何も解決せず、家族に負担をかけ続けることになるのです。

まとめ

仕事やプライベートで抱えるストレスを解消しようとギャンブルをしてみた結果、運よく勝って利益が得られる経験をするというのは危険です。ギャンブル依存症になるリスクが高まるからです。これは誰にでも起こりうることを理解するようにしましょう。

治療と回復

自身でできること

家族のみなさんへ

治療の種類

ギャンブル依存は必ず克服できます

“ パチンコに依存していたのは10年以上にもなります。周りに嘘をついてまでパチンコに使うお金を必死に工面していました。ついに返し切れない程の借金をし、自分ではどうしようもなくなっても、自分は依存していないと思っていたのです。一方でいつも不安で苦しい焦りを感じていたのを覚えています。周りの人を傷つけても止められなかったのは、身も心も完全に依存していたからだと思います。現在はささやかですが普通の生活を送れるようになりました。絶対に克服できるはずです。”
“ 父親が色々な理由をつけて私や母親からお金を借りるようになりました。いま考えると全てウソだったのですが、しばらくは疑問にも思いませんでした。しかし、孫に用意していたお祝いをこっそりと持ち出したことに気づいて、普段とは明らかに何かがおかしいと感じたのです。私たちはじっくりと何度も向き合いました。今では日常を取り戻しています。家族の手助けがあれば必ず立ち直れます。”
“ 小さい頃からの幼馴染の変化に気づいたのは、申し訳なさそうに借金を申し込まれた時。 初めは困っている友人を放っておけなかったので理由は聞かずに貸しました。3度目の時に理由を尋ねるとギャンブルに使っていると言われショックだったことを覚えています。もう貸せないこと、そして専門家への治療を勧めました。彼自身も治したいという思いはありましたが、心が依存してしまっていたのです。いまはギャンブルは断ち、よく一緒に遊びに出かけます。寄り添うことだけでも力になれるんだと信じてよかったです。”
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